決算代行を依頼する方法とは?メリットや注意点を解説
会社の決算・申告には手間と時間がかかる上、専門知識がなければ正しく書類を作成できないケースもあります。決算代行サービスを利用すれば、書類作成や申告手続きをすべて依頼することが可能です。今回は決算代行について、概要や具体的なサービス内容、利用の際のメリット・デメリットを解説するため、ぜひ参考にしてください。
そもそも決算代行とは?
決算代行の概要やサービス内容について解説します。
決算代行とは
そもそも決算代行とは、会社の決算に関する記帳や申告などを代行してもらえるサービスです。自社で決算業務を担う場合には、会計ソフトを導入して日々の経理管理や確定申告の準備などを行うことになります。
ただし、基本的に会計ソフトでカバーできる範囲は限られているため、実際の申告時には数十枚にものぼる書類を準備して申告書を作成しなければなりません。決算代行を利用すれば、サービスのなかから必要な内容だけを厳選して代行依頼することが可能です。
面倒な書類準備を代行してもらえるため、スタッフの手間が省け、その分本業に時間を割けるのがうれしいポイントです。
決算代行でできること
決算代行に依頼できるサービス内容は業者によっても異なりますが、一般的には日々の記帳業務や決算書の作成、申告書の作成、申告手続きなどを代行してもらえます。
申告書の準備は会社の規模に関わらず必ず実施しなければならないため、会社設立後初めて決算を迎える場合や、税理士などの専門家との顧問契約がない場合、本業が忙しく決算業務に手をつけられていない場合などに利用するのがおすすめです。
決算代行のメリット・デメリット
決算代行にはさまざまなメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。
利用の際はメリットとデメリットの両方を十分に理解してからサービス利用を開始しましょう。以下では、決算代行のメリットとデメリットを詳しく解説します。
メリット:正しい決算・申告ができる
決算や申告はある程度知識がないと非常に時間がかかるうえ、計算ミス・記載ミスなどがあればペナルティの対象となる可能性もあります。
決算代行を利用すれば、専門家が正しく書類を作成して決算・申告を済ませてくれるため、ミスの心配もありません。税理士による申告は信頼性が高いことから、税務調査の対象になりにくいというデータもあります。
メリット:本業に時間を割ける
日々の記帳や申告準備にはかなりの時間を要します。知識がなければ手間や時間も倍増するため、とくに小規模の会社では本業との両立が難しくなってしまうケースもあるでしょう。
決算代行を利用することで、経理業務に充てていた時間を本業のために使うことが可能です。
メリット:節税が可能となる場合も
専門家による決算で、節税効果が期待できるケースもあります。
税理士との顧問契約のように節税に関するアドバイスや対策実施までは難しいものの、ある程度の節税は可能となるでしょう。
デメリット:サービスの利用コストがかかる
決算代行には当然サービス利用コストがかかります。その分自社の経理担当者の人件費を削減できるとも考えられますが、決算の代行のみに絞っても、会社の年商が1,000万円未満であっても10万円以上は必要となるのが一般的です。
日々の経理業務まで代行依頼すればさらに高額の利用料を支払う必要があるため、複数業者の見積もりを比較してみるのがおすすめです。
デメリット:業者によってサービス内容に差がある
決算代行としてどのような業務をどの程度まで代行してもらえるかは、業者によって異なります。メリットで述べたような節税対策にも取り組んでもらえる場合もありますが、決算申告に必要な書類づくりのみを実施するというところもあります。
自社の経理に深く関わってアドバイスをもらいたい場合には、決算代行ではなく顧問契約を結ぶ必要があります。
決算代行を利用する際の注意点
決算代行を利用する際の注意点は、以下の2つです。
コストカットのためサービスを厳選する
決算代行はどの範囲までを依頼するかによって利用料金が異なります。余裕がある場合には手間を省くためにも広くサービスを利用して問題ありませんが、できる限りコストをカットしたい場合には、利用するサービスを厳選しなければなりません。
コストとの兼ね合いを考えながら、最適なプランや代行業者を見極めるようにしましょう。
社内にノウハウが蓄積されないことを頭に入れておく
決算代行を利用するということは、社内の人間が決算業務に携わることはないということです。社内に経理や決算のノウハウが蓄積されないため、いざというときに社内で対応できるスタッフがいないという事態にもなりかねません。
基本的には決算代行のサービス担当者に問い合わせれば問題ないものの、経理スタッフの自社育成が進みにくくなるという点はあらかじめ理解しておきましょう。
まとめ
今回は、決算代行の概要や具体的なサービス内容に加え、決算代行を利用するメリット・デメリットや注意点などを詳しく解説しました。決算代行は日々の経理業務や決算申告手続きなどを代行してもらえるサービスであり、経理スタッフの手間を省いて複雑な申告書類の準備をすべて任せられることで人気を集めています。サービス利用によって専門家による正しい決算申告が実現できる上、自社スタッフは本業に時間を充てることが可能です。ただし、サービス利用にコストがかかること、業者によって対応してもらえる範囲に差があることがデメリットとして挙げられます。決算代行利用の際は、サービスを取捨選択してコストを抑えることを心がけてください。