経理代行サービスに依頼できないのはどのような業務?
経理代行サービスとは、その名の通り経理業務を代行してもらえるサービスです。経理業務に含まれるのは記帳や年末調整などですが、どこまでを依頼できてどこからが依頼不可なのか悩んでしまう人も多いですよね。今回は、経理代行サービスに依頼できない業務の内容に加え、サービス利用のメリット・デメリットについて解説します。
経理代行サービスに依頼できない業務とは?
経理代行サービスに依頼できるのは経理に関する作業だけであり、その他の業務はお金にまつわるものであっても依頼することはできません。以下では、経理代行サービスに依頼できない業務について解説します。
融資などの資金調達
経理代行はお金にまつわる業務を代行できるというイメージがありますが、融資などの資金調達は代表取締役や社内の担当者で行う必要があります。そのため、融資の申し込みや金融機関の担当者との金利折衝などは、経理代行サービスの業務範囲外です。
資産運用やM&A
会社の資産運用やM&Aに関しても資金調達と同じく、経理代行サービスでは代行できない業務となります。とくにM&Aは、会社のこれからを左右する重要な決断であり、社内の人間でしっかりと話し合って進める必要があります。
予算管理・修正
予算の管理や軌道修正も、経理代行サービスでは業務範囲外です。経理代行はあくまで経理に関する業務を行えるのみであり、財務に関わる決定事項に関わることはできないと覚えておきましょう。
経理代行サービスに依頼可能な業務
先述の通り、経理代行サービスに依頼できるのは経理に関する業務となります。ここでは、具体的な依頼可能業務例を5つご紹介します。
記帳
専用のソフトなどを使用して、日々の業務で行う取引を帳簿に記帳します。
️年末調整
年末調整は煩雑な手続きとして知られており、専門知識がなければ正しく行うことができません。経理代行サービスを利用すれば、源泉所得の計算や還付金の確認など、年末調整に関わる業務を依頼できます。
給与計算
毎月の従業員の給与計算が依頼可能です。
決算書・税務申告書の作成
決算書や税務申告書の作成、仕訳の計算などを依頼できます。
️売掛金・買掛金の管理
売掛金・買掛金に漏れがないかを細かくチェック・管理します。経理代行サービスによっては、振込などにも対応可能です。
経理代行サービスを利用するメリット・デメリット
経理代行サービスの利用にはメリット・デメリットの両方があるため、社内で話し合って利用を決める必要があります。以下では、メリット・デメリットのそれぞれの内容について詳しく解説します。
メリット
経理代行サービスを利用するメリットは、社内で経理担当者を雇うよりもコストがかからないこと、経理業務はすべて任せられるため本業に集中できること、財務状況が常に整理されておりスピーディーに確認できることの3つが挙げられます。
経理代行サービスの利用料金は意外にも高額ではないため、経理担当として人材を雇うことを考えると、経理代行サービスを利用する方が費用は安くなります。
また、特に個人事業主などでは従業員も少ないため、経理業務を外注することで本業に集中できるというメリットもあります。経理業務にかかるコストと時間をカットしながら、正確な経理作業を実現できるのは、経理代行サービスの最大の強みです。
️デメリット
経理代行サービスを利用するデメリットとしては、社内で経理業務のノウハウが浸透しないこと、利用には費用がかかること、社内の重要情報が外部に漏れる恐れがあることが挙げられます。
経理代行サービスに経理業務を委ねるということは、社内に経理担当者を置かないということです。突然サービスを利用できなくなった場合には他の代行業者を探す必要があり、社内で経理業務を担当できる人材が育たないのはデメリットの一つでしょう。
また、経理代行サービスの従業員が悪意に基づいて情報を漏らすことは考えにくいですが、書類紛失などによる情報流出の可能性は否定できません。
経理代行サービスを利用するまでの流れ
経理代行サービスを利用する際はどのような流れで依頼するのでしょうか?ここでは、記帳業務を依頼する場合を例に挙げて詳しい流れを解説します。
①資料を送る
まずは記帳に必要な資料を経理代行サービスに送付します。資料はコピーでも問題ありません。
②帳簿などの作成
送付された資料が届いたら、資料をもとに記帳を行い、帳簿や試算表などを作ります。
③作成物と預かり物の返却
作成物が完成したら、預かった資料とともに会社に返却されます。
打ち合わせがある場合も
基本的には①〜③を毎月繰り返して行いますが、2、3ヶ月に一度は打ち合わせなどをする場合もあります。また、決算月が近づくと、決算に使用する資料の確認なども行われます。
今回は、経理代行サービスの業務内容とメリット・デメリットについて解説しました。コストを削減しながら経理業務を外注できるのは経理代行サービスならではの大きな魅力ですが、サービスの利用によって社内で経理業務に携われる人材が育たない、情報漏洩の不安があるなどのデメリットもあります。代行を依頼できる範囲はどこまでかをしっかりと確認し、サービスをうまく取り入れることで社内の業務効率化を目指しましょう。