経理は代行サービスの利用と専任スタッフの雇用どちらがおすすめ?
会社を経営する上で経理業務を欠かせない業務内容の一つですが、従業員が普段の業務と兼任しながら行うのは難しいケースも多いです。その場合は経理代行サービスを利用するか専任スタッフを雇用するかのどちらかが解決策となりますが、どちらを選ぶべきか悩んでしまいますよね。今回はそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
経理の業務内容を理解しよう
経理の業務には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?以下では、業務内容と具体例、財務業務との違いについて解説します。
️経理の業務内容
経理の業務内容は、簡単に言うと社内のお金の管理です。自宅で家庭の収支を確認する家計簿をつけるのと同じように、会社でも収支を確認するための帳簿をつけています。
しかし、当然ながら家庭での収支とは違い、会社の収支管理はとても複雑なものです。また、毎年作成する決算書や年末調整の手続き書類などはかなり煩雑であり、経理に関する知識がなければ資料作成は難しいでしょう。
具体例
経理業務の具体例として、帳簿や試算表、決算書の作成に加え、給与計算や各種支払い、領収書・請求書類の管理が挙げられます。これらは単純な経理業務ですが、資金調達の際の折衝や資産運用などは財務業務にあたります。
社内に経理の専任スタッフを置いている場合はこれらの財務業務も兼任して行うケースがほとんどですが、経理代行サービスを利用している場合、財務業務は依頼の対象外となるため注意が必要です。
経理の専任スタッフを雇用するメリット・デメリット
経理の専任スタッフとして従業員を雇用するメリット・デメリットを解説します。
️メリット1:社内業務に精通した人材に経理を任せられる
社内に経理の専任スタッフがいれば、会社の業務やお金の流れを理解している人材に経理業務を任せられるのがメリットの一つです。
経理代行サービスを利用する場合は会社の業務内容やお金の管理方法・流れについて細かく説明する必要があり、何か変更事項があった場合にも連絡や確認などの手間がかかります。
メリット2:リアルタイムでスピーディーに財務状況が確認できる
経理代行サービスを利用する場合、資料送付から返送までのタイムラグが発生します。基本的には1ヶ月分を翌月までに処理してもらうこととなるため、財務状況の整理は1ヶ月遅れで行われると考えてよいでしょう。
しかし、社内に経理の専任スタッフを置けば、リアルタイムで帳簿に反映させることが可能です。すぐに利益を知りたい!という場合にも、迅速な対応が可能です。
️デメリット1:給与にかかるコストが大きい
経理の専任スタッフとしてパートを雇用することを想定した場合、経理代行サービスの利用と比較すると毎月2万5,000円ほど余分に費用がかかってしまいます。
デメリット2:スタッフの連休や退職時に混乱を招く恐れも
経理の専任スタッフとして長く勤めていると、自ずとその担当者のやりやすい方法・スタイルが出来上がっていくでしょう。他の従業員がそれらを詳しく理解しているとは考えにくいため、専任スタッフの急な休みや退職時に混乱を招く可能性が高いです。
経理代行サービスを利用するメリット・デメリット
経理の専任スタッフを置かず、経理代行サービスを利用するメリット・デメリットを解説します。
メリット1:コストを抑えつつ正確な作業が期待できる
先述の通り、基本的には経理の専任スタッフを雇うよりも、経理代行サービスを利用する方がコストを抑えられます。また、経理代行サービスの従業員は経理業務に特化したプロであり、コストを抑えながら正確な作業が期待できます。
メリット2:従業員が本業に専念できる
特に個人事業主や小規模の会社では経理の専任スタッフを雇うメリットがあまりないため、経理業務を社長や従業員が兼任して行うケースが多いです。
経理代行サービスは利用料金も高くないため、小規模な会社でも利用のメリットが十分にあると言えます。経理業務をすべて外注できれば、従業員は本業に専念できます。
デメリット1:委託先によって費用が高額となる場合も
一口に経理代行サービスと言っても、会計事務所や税理士事務所の代行サービスから経理代行業者のサービスなど、その種類はさまざまです。前者であれば作業料に加えて別途顧問料などが発生するため、利用前に料金形態をしっかりと確認しておきましょう。
デメリット2:社内で経理業務に精通した人材を育成できない
経理代行サービスに経理業務を外注するということは、社内に経理の専任スタッフを置かないということです。当然経理に精通した人材の育成は難しく、常に経理代行サービスと連携していないと財務状況を把握できないのがデメリットの一つです。
今回は、経理の専任スタッフの雇用と経理代行サービスの利用について詳しく解説しました。経理の専任スタッフを置くことで、リアルタイムでスピーディーな処理を実現できますが、その分コストが高くなるというデメリットもあります。経理代行サービスでは安く正確な作業が期待できますが、社内で経理業務を担当できる人材が育成できません。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自社に合った選択をしましょう。