経理代行導入時によくある失敗例とは?事前に知って後悔のない業者選びを
経理代行を導入すれば、すべてが上手くいくわけではありません。ここでは、ありがちな失敗例をあげて、それらを避けるための経理代行業者の選び方についてお話しします。「導入メリットははっきりしているのに、思いどおりにいかない!」こんなことにならないように、業者を見極めるヒントをあげておきますので、ぜひ参考にしてください。
経理代行の導入メリットを確認しよう!
経理代行業者の導入を検討している方に目的をうかがうと、多くの方が「人件費の節約」と答えることでしょう。しかし経理代行のメリットは、人件費の節約だけではありません。他にも2つ、あわせて3つのメリットがあるのです。
人件費が節約できる
経理代行を導入する最大のメリットです。新規雇用や、すでに雇用している担当者にかかっている人件費よりも、経理代行でかかる費用が下回れば、それだけで業者を依頼するメリットがあると考えられます。
経理業務の見直しができる
同じ経理担当者にまかせきりにしていた場合に起こりがちなのですが、慣習や慣例が積み重なって、業務が複雑化・非効率化していませんか?経理代行の導入で、これまでの慣習・慣例が見直されます。非効率なシステムを効率化するチャンスです。
知られたくない秘密が守られる
経理担当者が扱うデータは、社外秘はもちろん、社内的にも知られたくないものばかりです。「〇〇さんの給与は□□円で……」などと噂になると、会社の士気にも響きかねません。知られたくない経理データは、信頼できる外部に委託してしまったほうが安心できるかもしれません。
経理代行導入時にありがちな失敗例
上記のようなメリットを期待して、経理代行業者を導入したのに上手くいかない。残念ながら、そんなことはよくあるものです。ありがちな失敗例を見ていきましょう。
経費が期待通りに節約できない
人件費は確かに削減できたけれど、それ以外の経費がかかるようになったというのは、経理代行業者との間に起こりがちです。
既存の経理システムの入れ替えを迫られ、多額の導入経費がかかってしまった。想定していた料金だけでは、請け負ってくれる業務の範囲が狭すぎた。結局、多額のオプション料金が必要になった……など、これらの例はたくさんあるものです。
かえって仕事が増えてしまった
経理業務自体はアウトソーシングができたのですが、今まで担当者が行っていた税理士などとのやり取りは、代行してもらえなかったりします。結果、経理代行業者と頻繁に連絡を取ったり、提出用の資料を作成したりと、仕事が増えてしまうことも。
また経理担当者が一時的に離職することになり、その間だけ経理代行業者を利用することにしたが、引継ぎが上手くいっておらず離職とともに膨大な業務が残されてしまうという事例もあります。
経理代行業者選びに失敗しないためには?
経理代行業者を選ぶのに大切なことは、一言で表すと「業者の本質を見極める」ということです。そのためのヒントは、業者の印象や見積り、担当者の提案力、経験にあるのです。
見積りだけにとらわれない
「システムの入れ替えを迫られた」「業務範囲が限られておりオプション料を請求された」予想以上に経費が掛かった原因は、代行を依頼する前の見極めの失敗です。
たとえば見積り額だけに気を取られて、コミュニケーションを取らず経理代行業者と契約していませんか?優れた代行業者なら、見積り前のヒアリングに時間をかけますし、相応の見積り額を出してくるはずです。
担当者から大雑把な印象を受けた、見積り額が安すぎるといったケースでは、かえってオプション料金がかかってしまったりするものです。
提案力も要チェック
社外との提携が強固な業者なら打ち合わせの段階で、税理士らとのやり取り代行の提案があったことでしょう。「業務が新しく発生した」原因は、経理業務しか代行できない業者を選んでしまったことにあります。
提携が強固なだけでなく、社労士・税理士事務所が営む経理代行業者を選ぶことで、給与計算だけでなく振込も依頼できますし、その結果をすぐに試算表に反映させることも可能でしょう。経理代行業者がどの程度の提案力を持っているか?どの範囲まで業務を委託できるか?は必ずチェックすべきでしょう。
担当者の経験も大切
「経理担当者が一時的に離職する」ケースは、妊娠・出産などでよくあります。担当者の経験が豊富なら、起こるであろう問題を前もって察知し、それらに応じた提案がなされたことでしょう。担当者の経験は、コミュニケーション力や提案力とも比例するものですから、業者選びの重要なポイントでもあるのです。
経理の仕事と一口にいっても、実際は意外と広範囲なもの。代行業者選びの失敗は、もっぱらこのことに起因しています。
代行業者にまず要求されるのは、担当する会社ごとに異なる経理の仕事のどこまでを代行するかを明らかにすること。このことはコミュニケーションを、いかに密にとれるかにかかっています。失敗しない経理代行業者選びに欠かせないのは、担当者との相性でありコミュニケーション。結局は、これに尽きるかもしれませんね。