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経理も電子化が進む時代!知っておきたい電子帳簿保存法とは

公開日:2022/11/15  


一昔前までは、請求書などのデータは紙でファイリングして保存するのが一般的でした。しかしこのやり方は、業務の非効率化を招くという課題があります。そこで経理部門もペーパーレス化の波に乗り、2022年に電子帳簿保存法の改正が行われました。この記事では、経理業務を遂行するにあたって覚えておきたい電子帳簿保存法について解説します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、所得税や法人税など国税関係の帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。経理というと、請求書や伝票などの紙を一枚一枚手作業で処理し、ファイリングしていくといったイメージがありませんか?

一昔前まではこのやり方が当たり前でした。電子データで送られてきた文書もわざわざ印字していたため、非効率なうえ余計な手間がかかると言わざるを得ません。そして分厚いファイルに綴じて一定期間保存するので、大容量の収納スペースが必要です。それに加えてテレワークが急速に広まった昨今、紙ベースで業務を遂行している経理部門の社員だけは出社して仕事を行うしかありませんでした。

そういった実情を受けて、2022年1月1日に経理部門のペーパーレス化の促進を目的として電子帳簿保存法が改正されました。電子帳簿保存法自体は1998年に成立しているのですが、適用要件が厳しく導入する企業が少なかったのです。今回の法改正で厳しかった適用要件が緩和され、経理の電子化が急速に進むことが期待されます。

電子化の対象になる帳簿と書類

電子帳簿保存法の対象になっているのは、仕訳帳や現金出納帳、固定資産台帳などの「国税関係帳簿」、貸借対照表や損益計算書などの国税に関する「決算関係書類」、請求書や見積書、納品書などの国税に関する「取引関係書類」の3つです。

そのほかにも取引相手から請求書や見積書などの取引情報を受け取った場合は「電子取引」に該当し、そのままデータで保存しなければいけません。以前は取引情報をデータで受け取ったら紙にプリントアウトして保存していたのですが、2022年の改正においてデータで受け取った情報はデータのまま保存するように定められました。ただし、取引情報を紙で受け取った場合は紙で保存する必要があるので間違えないように注意しましょう。

電子帳簿保存法で認められている保存方法

電子帳簿保存法で認められている保存方法は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3つです。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

電子帳簿等保存

電子帳簿等保存とは、会計ソフトなどで生成された帳簿や文書をデータのまま保存することです。対象となる文書は、国税関係帳簿、決算関係書類、取引先に提出する書類の写しです。ここでポイントとなるのが「自分で」「一貫してコンピュータなどの端末で」作成された書類ということ。そのため一部だけ手書きで記録したというような書類は対象とはならないので注意してください。また、一定の要件を満たしてデータ保存した場合は、税制優遇措置の適用も受けられます。

スキャナ保存

スキャナ保存とは、領収書など紙媒体のデータをスキャンして電子データとして保存することです。保存するのはスマートフォンやデジタルカメラでの撮影でも可能です。対象となる書類は手書きの取引関係書類です。最初から最後までコンピュータで作成する国税関係帳簿や決算関係書類は、対象とはならないので注意しましょう。また解像度や資産に直結する場合はカラーの画像にするなどの要件を満たす必要があります。

電子取引

電子取引とは、WEB上やメールでやりとりしたデータをそのまま電子データとして保存することです。ただし、WEB上でやり取りしていても納品書などを紙で送ってきた場合は、データ化するのではなく紙のまま保存することになるので注意しましょう。また、受信したデータはそのまま保存しなくてはいけません。自社システムなどに書き換えて保存することは認められていないのでこちらも注意が必要です。

2022年の改正によって変更した点

今回の改正で大きく変わったのは、厳しいといわれていた要件が緩和され、多くの企業で経理業務を電子化するハードルが下がったことです。具体的には、以前は必要だった税務署長の事前承認が必要なくなり、環境さえ整えば電子帳簿等保存やスキャナ保存ができるようになりました。

また、スキャナ保存においてはスキャンしたデータと原本が同等と認められれば、原本を破棄することが認められています。電子取引はデータで受領した文書はプリントアウトして保存することが認められなくなりました。これらの変更点は、経理の業務効率化および収納場所やコストの削減、そしてペーパーレス化の促進を目的として行われたものです。電子帳簿保存法が改正されたことによって、今後ますます経理の電子化が進むでしょう。

まとめ

2022年の電子帳簿保存法の改正により、それまで紙で保存していた帳簿や書類をデータのまま保存できるようになりました。クリアしなければならない一定の要件はあるものの、以前よりも大幅に緩和されて、今後電子帳簿保存を導入する企業が増えていくことが期待されます。ぜひこの記事を参考に、電子帳簿保存法のポイントを押さえて経理業務の効率化に役立ててください。

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