経理代行に依頼するのと新しい従業員の雇用ならどちらを選ぶべき?
「人手が足りない」「この業務だけでも、誰か他の人に頼めたら……」といった悩みを抱える多くの企業は、新しい従業員の雇用もしくは代行に頼むこと、いずれかを検討するでしょう。それは経理においても同様です。では、経理は代行に頼むのと、新しい従業員の雇用どちらがよいのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
経理代行のメリット・デメリット
まず、経理代行に頼んだ場合のメリット・デメリットについて見ていきましょう。経理業務を代行業者に頼むと、どういった変化があるのでしょうか?
メリットについて
最大のメリットは、経理に関わるすべての業務を丸ごと任せられることです。社内に経理という部署を設けなくても、まったく問題ありません。
とくに、個人事業主を含む小さな企業なら、イチから採用しなくても大丈夫なので、大幅に手間を省くことができます。浮いた時間を使って、自分の事業に専念できるでしょう。
また、経理の専門業者に任せるため、ミスも少なく教育を行う必要もありません。
デメリットについて
契約内の業務しか行っていないことから、柔軟な対応が望めないケースもあり得るという点です。経理という仕事のなかには変動的な業務もあるため、「もっとフレキシブルな対応をしてほしい!」という声もあるでしょう。
業務量が多いだけでなく変動性が高い場合は、従業員を雇うのとどちらが安くあげられるか、比較・検討したうえで決めることをオススメします。
従業員を新たに雇用するメリット・デメリット
それでは、経理を代行に頼まず従業員を新たに雇用した場合、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?順番に見ていきましょう。
メリットについて
自社のメンバーとして採用するため、暇な時は雑用や事務作業など経理以外の業務も任せることができます。とくに、小さい企業なら少ない人員ですべての業務をカバーする必要があるため、「専任の業務を持ちながら、他のことも何でもやってくれる人」というのは貴重な戦力です。
そのため幅広い業務を担当してほしい場合、新たな従業員を雇用することをオススメします。
デメリットについて
従業員を1人増やすため、何よりも人件費が高くついてしまいます。給与や貸与するパソコンなど設備のことを考えると、月間で20万円以上必要になってしまう場合もあるでしょう。そのため、長い目で見ると代行を頼んだ方が安く済むかもしれません。
まずは経理を含め、社内のどの業務が逼迫しているのか?どこを補強する必要があるのか?などを分析したうえで、経理代行と従業員の雇用どちらがより相応しいか判断が必要です。
正確さを求めるなら、経理代行に依頼するのが無難
経理代行を頼む場合、そして新たに従業員を雇用する場合と、それぞれのメリット・デメリットについて述べてきました。
結局どちらがよいのか?というのは各社の判断によるところですが、少なくとも正確さを求めるなら経理代行に依頼するのが無難だといえます。そこで、ここでは経理代行サービスの選び方や、失敗しないコツについて解説します。
対応会計ソフトを確認しよう
経理代行を頼む際は、代行会社が対応している会計ソフトを契約前に確認しておきましょう。会社によっては対応している会計ソフトの種類が少なく、自分たちの会社が使用しているソフトと合致しない可能性があります。
その際は、自社で利用しているのと同じ会計ソフトを使っている他社に、乗り換えないといけなくなってしまうでしょう。その他、ソフトごとの得意・不得意も確認しておくとよいです。
スタッフの質は?
代行サービスの何よりのメリットは、専門の知識・スキルを持った業者に丸ごと業務を投げて時間を浮かせられることです。しかし、万が一その会社で業務についているスタッフが、経験の浅い方ばかりだったらどうでしょう?それでは高いお金をかけて、委託している意味がなくなってしまいます。
そのため、契約前には必ずスタッフたちがどんなスキルを持っているのか?経験はどれぐらいあるのか?など、スタッフの質も確認しておくことをオススメします。
サポート体制は?
経理代行といっても、サポート体制はさまざま!月額料金内で、経理以外に経営コンサルティングをしてくれる代行サービス会社もあります。また、税理士や公認会計士と連携している会社の場合、それらの専門的なサポートを受けられるチャンスもあるでしょう。
「経理代行に依頼するのと新しい従業員の雇用ならどちらを選ぶべきか?」という課題に対して、経理代行に依頼する場合そして新しく従業員を雇い入れる場合それぞれのメリット・デメリット、そして経理代行を依頼する際の業者の選び方および失敗しないコツについて紹介しました。
経理は会社経営において必須となる業務ですが、煩雑で専門知識も必要な分野です。その会社ごとに合った方法で、無理なくこなしていきましょう。